書くこと

小さな頃から口下手で、話すことが苦手だった。

友人は少ないし、大人数で話すこともない。

誰の味方にも、敵にもなれなくて、八方美人と言われ、いじめられたこともあった。

瞬発的に言葉が出なくて、会話のテンポが遅くなり、相手がイライラしているのを感じるとそれが辛くて泣いてしまうような子供だった。

でも、社会人になり接客業を始めると『常に笑顔』と『会話の瞬発力』が求められた。

人との会話は必須で、毎日不特定多数の人間と関わる生活。

7年間勤めていたら私はすっかり『常に笑顔』で『会話の瞬発力がある人』になっていた。

でも、その自分の半分は演じていたんだと思う。

役職が上がるうちにクレーム処理や、面倒な客の対応、部下の教育、上司への提案、取引先への営業など、いろんな仕事が増え、その分自分の感情を殺し、『笑顔』が張り付き『自分の感情』が見えなくなっていた。

毎日ノートに向かって、自分の感情を、心を解放させて、自由に書き殴る瞬間だけが自分でいられた。

私は『書く』ことが好き。

唯一、自分が自分でいられる時間だから。

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